こんにちは。9月にBarGiraffeで個展を開催させていただいた花見壮常(けみたけつね)です。 この度は、個展開催をきっかけに「麒麟新聞」で寄稿する機会をいただくことになりましたので、皆さんに気軽にお読みいただけるよう、なるべく簡潔に文章を書いてみたいと思います。 今回「同じ釜の飯を食う」がテーマということですが、まず意味を調べますと「同じ共同体が同じものを食べることによって、同体としての帰属意識を持つこと。あるいはそれを強化すること。」(出典:ウィクショナリー日本語版)とあります。 これまで家族やクラスメイト、職場の同僚、恋人など、様々な人と同じ釜の飯を食べてきましたが、実際にそうした時間が関係を深いものにしてくれたという実感はあります。ただ、同じ釜の飯を食べていくということがどれだけ大変で難しいことであるということは、皆さんも何となく想像がつくかと思います。 「どうやったら上手く同じ釜の飯を食べていけるのか?」ということを考えてみた時に、何となくですが、私自身が意識しているであろうと思うことを書いてみたいと思います。 私が同じ釜の飯を食べる時に気にしているのは「思いやり」と「距離感」の2つでしょうか。 皆で同じ釜の飯を食べるにはたくさんやることがあり、人それぞれが色々な役割をもって飯の準備をします。例えば、「ニンジンとタマネギを◯時までに切って、早めに入れて中火で煮込んでおいて。煮込んでる間に椅子を人数分用意しておいて。」といった指示をし、テキパキと段取りを付けられる人がいるとしましょう。このようにスムーズに事を運ぶことができる人がいると非常に助かりますし、重宝されます。 ただ、中にはこうした指示に上手く応えることが出来ない人もいます。「頭ごなしに言われてなんか嫌だ・・・。」「そんなに一気に覚えられない・・・。」と思う人もいるでしょう。そういう場合、「やってみたい準備ある?」「食べたい具材とかある?」といったように、まず聞いてみたり、役割を分散してくれたりすると言われた方はやりやすいかもしれませんね。また、言われた方も変に気を悪くするのではなく、そういった指示や段取りをつけてくれる人がいるからしっかりと事が進むのだ、ということを覚えておくとその人に感謝することが出来ます。 そもそも飯を準備する段階での役割はなく、食べている時に皆を楽しませるという役割がある人もいたりするので、あれこれ指示せずその人に好き勝手にやらせるなんてこともあるわけです。こうした人には「楽しませてくれること」への感謝を言葉にするといったことを心がけたいですね。 また飯を食べている時、中には少しだけ食べてすぐに食事を終え、スマホをいじりだす人なんかもいるでしょう。そんな人に「もっと食べなよ」「食べ終えたらお皿片付けてよ」といった事を言えばさらに壁ができてしまう可能性がありそうですね。言い方で全く捉え方が変わってきそうですから、「デザート(またはお菓子など)あるけど食べる?」「なんか飲む?」といった押し付けがましさを抑えた柔らかい質問をしてみたりすると、少なくとも距離感が開くことはなさそうな気がしますし、片付けに関しても元々あとで自分でやろうと思っていたかも分かりません。ただ、言ってる側も悪意があって言っている訳ではなく、「たくさん食べてほしい」という善意だったり、「役割を分担してほしい」という願いがあったりすることもあるわけですから、安易に「煩わしい人」として片付けてしまうのは、こちらの傲慢かもしれないとも思います。 さらに、「スマホをいじりだしているから場がつまらないと感じているのだろう」と結論づけるのも早計ではないかと思います。他人に心を開くまでに時間がかかる人も多くいますし、一人の時間を好む人もいます。そうした人の心の壁を無理にこじ開けようとしたり、腹の中を探ろうとするのは、あまりしたくありませんね。ただ、少しずつ距離が近づき、その人が少しでも壁を開けてくれた時には、自然な笑顔で迎えてあげたいと思います。 以上のようにつらつらと書き連ねましたが、これらは私が個人的に意識していることの例を挙げただけであって、他人にも同じような意識を持ってほしいといったような強要めいたことはしたくありませんし、自分自身が完全に意識どおりにこれらが出来ているかどうかも怪しいところがあります。「距離感」と「思いやり」のようなものを念頭に置くように心がけて同じ釜の飯を食べているただの一人であって、他にはそれぞれがそれぞれの事を意識して同じ釜の飯を食べている人がいるのだろうと思います。こういうことを意識している人がいるということを知ったり、こういった意識が同じ釜の飯を食べる際に少しでも参考になれば幸いです。 様々なコミュニティで様々な人と同じ釜の飯を食べていくことで、たくさんの人との仲を深めることが出来るとともに、より多くの人の意識を知ることが出来ると思いますので、皆さまからのお食事のお誘いを心よりお待ち申し上げております。