麒麟新聞Giraffe Magazine/ MAGAZINE ONLINE
満月の日に発行する現在進行形の民間伝承誌
A live folklore magazine, published on every full moon.
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2026-05-02

磁場

vol.4 5月号
Editor’s Letter 🌕 ヒューストン、そっちはどうだ。 こちらは好調。GIRAFFE Magazineです。 今月観測した「こちら」の状況を伝える。 🌕 Bar Giraffeでは毎夜、煙草の燻るカウンターに誰かが座っている。 入れ替わり立ち替わりそこに立つ人によって、日ごと出来事が繰り返されている。 SOY-POYは、金土日の週末営業の夜、 新しくこの場所を支えはじめている世代のメンバーたちによって、 週ごとに人が集まりはじめている。 そして、4周年を控えている。 ロバート下北沢では、それぞれがそれぞれの仕事をしている。 その合間に、新しい何かを企む打ち合わせで人も動いている。 山梨のリトルノースというキャンプ場には、たった一人で乗り込み、 二拠点での生活に馴染もうとしている人間がいる。 週末に遊びに来いよ、一緒に遊ぼうよと、「この指とまれ」をしながら、 まだ静かに人を待っている。ハレの瞬間、宴の瞬間を待っている。 🌕 下北沢という街の一角、SOY-POYとBar Giraffeを起点に、 ゆるやかに、しかし確かに何かが集まりはじめている。 人が人を呼び、関係が関係を引き寄せる。 そしてその引力の点が増えはじめている。 その引力のようなものを、いま仮に「磁場」と呼んでみる。 なんでこの4つの場所なのか、と思うかもしれない。 そうと決まったわけじゃない。よくわからない。成り行きだ。 でも、同じような時間が流れている気がする。 だから今回は、『磁場』という言葉を特集テーマに据えた。 🌕 場所というもの自体は、そんなに確かなものでもない。 駅前のピーコックだって、セブンイレブンだって、いつの間にかなくなったじゃないか。 久しぶりに地元に帰ったら、小学校がなかったよ。通学路も、校門も、グラウンドも、なくなっていた。 関係性が編み込まれていなければ、どんな土地もただの空白にすぎない。 その関係性も、風が吹けばほどけ、雨が降れば流れてしまうほど脆い。 何事かが起こった場所も、時が経てば、何事もなかったかのように地球は周回を続ける。 それでも、何かがひとつ残っていれば、記憶はそこからまた辿り直せるのだと思う。 🌕 これ(GIRAFFE Magazine)は、下北沢の、そして緩くつながりつつある山梨の山奥で、 ひそかに蠢いている活動の磁場を記憶するためのものである。 私たちは、たまたまここに居合わせただけなのかもしれない。 ここで何かが起きているなんてことも、幻想や解釈に過ぎないのかもしれない。 ただ、何度でも再会し、話し、また出会うための方法として、こうして何かを作っている。 その痕跡を残したい。 そういえば最近会ってないな、と思う人がいたら、ここに遊びに呼んでくれよ。 それでまた磁場ができるからさ。僕らの集まり方は、たぶんそういうものだから。
編集長 勝俣泰斗